新潟大学歯学部大学生、京都大学医学部口腔外科大学院生・研究員、愛知県心身障害者発達障害研究所客員研究員など立場を変えながら、指導教官、共同研究者、先輩、後輩に恵まれ、研究活動を続けることができました。実際に研究に参加し協力していたもの、あるいは主体的に行なったものを掲載させていただきます。学会活動は口演したものを掲載しております。今までの研究生活で世に出たものが、少しでも現在そして未来の歯科や口腔外科に貢献できたら良いと考えております。
論文の題名または『論文が見れます。』をクリックしていただくと、論文を実際に見れるようになっております。簡単な解説をつけさせていただいております。
論文投稿
Nagasawa M, Saito K, Nakamura K, Toyosato A, Nomura S, Examination of the ease of swallowing in a thickener and two gelatinizers, Niigata Dental J, 33(2), 25-29, 2003.論文が見れます。
新潟大学歯学部の学生時代の研究で、飲み込みやすいってどういうことかを検討するため、介護職用増粘剤やゲル化剤の嚥下しやすさを調べた論文です。筋電図やVFを用いて、評価しています。この研究は、歯科医師会主催の大会(現在のスチューデントクリニシャンリサーチプログラム)で発表され、全国3位の評価をいただきました。僕が研究に興味を持つきっかけになりました。指導教官の豊里先生や、野村教授には大変感謝しております。研究におけるアイデアの出し方や統計手法を学びました。
Kawakami T, Fujisawa T, Saito K, Morioka K, A case of vitamin K deficiency diagnosed after unusual oral hemorrhage, Japanese Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, 56(3), 199-202, 2010.論文が見れます。
京大の関連病院である愛媛県の市立宇和島病院で勤務していたときの症例報告で、口腔内出血を契機に診断されたビタミンK欠乏症の1例を紹介しています。
Kirisawa T, Fujisawa T, Kawakami T, Saito K, Morioka K, Bessho K, Use of low-intensity pulsed ultrasound to treat a pathological mandibular fracture associated with a bisphosphonate preparation:report of a case, Japanese Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, 56(10), 586-590, 2010.
京大の関連病院である愛媛県の市立宇和島病院で勤務していたときの症例報告で、ビスフォスフォネート製剤服用患者に生じた病的下顎骨骨折に対して低出力超音波治療を行った1例を報告しています。
Morioka K, Saito K, Kawakami T, Nakanishi M, A case of traumatic neuroma in the right maxillary buccal gingiva, Nan-yo Medical Journal, Vol.9(1), 39-44 , 2008.
京大の関連病院である愛媛県の市立宇和島病院で勤務していたときの症例報告で、上顎歯肉に生じた外傷性神経腫の症例報告をしています。
Toru Yamazaki, Masashi Yamori, Keiichi Yamamoto, Kazuyuki Saito, Keita Asai, Eriko Sumi, Kasuhisa Goto, Katsu Takahashi, Takeo Nakayama, Kazuhisa Bessho, Risk of osteomyelitis of the jaw induced by oral bisphosphonates in patient, Bone 51, 2012, 882-887.論文が見れます。
経口のビスフォスフォネート製剤が顎骨骨髄炎を引き起こすリスクについて報告しました。臨床研究を手伝うことができ勉強になりました。
B Huang, K Takahashi, T Sakata-Goto, H kiso, Y Togo, K Saito, H Tsukamoto, M Sugai, S Akira, A shimizu, K Bessho, Phenotype of CCAAT/enhancer-bingding protein beta deficiency: hyperdontia and elongated coronoid process, Oral Disease,2012.論文が見れます。
黄(ハン)先生は、台湾からの研究員としてこられた歯科医師の先生で、いろいろと研究手法を教えていただきました。Cebpb欠損マウスは、下顎骨の筋突起の長さが伸びており、過剰歯・歯牙腫が発生していたことを報告されました。
Huang B, Takahashi K, Yamazaki T, Saito K, Yamori M, Asai K, Yoshikawa Y, Kamioka H, Yamashiro T, Bessho K. Assessing anteroposterior basal bone discrepancy with the Dental Aesthetic Index. Angle Orthod. 2013 May;83(3):527-32.論文が見れます。
黄(ハン)先生の論文で、審美的社会容認度を基に歯列咬合状態を評価するdental Aesthetic Indexが、顎矯正の必要性を評価するために役立つことを示しました。岡山大学歯学部矯正科との共同研究です。患者は、矯正前の歯列模型とセファロX線写真で評価しています。
Kiso H, Takahashi K, Saito K, Togo Y, Tsukamoto H, Huang B, Sugai M, Shimizu A, Tabata Y, Economides AN, Slavkin HC, Bessho K, Interactions between BMP-7 and USAG-1 (Uterine Sensitization-Associated Gene-1) Regulate Supernumerary Organ Formations. Plos One, 2014.
ノックアウトマウス研究で、Bmp-7とUsag-1が過剰歯を発生をコントロールしていることを報告しています。歯の再生研究です。ノックアウトマウス研究とは、特定の遺伝子の働きを無くしたマウスを人工的に作り出して、その機能を探る研究です。
Huang B, Takahashi K, Jennings EA, Pumtang-On P, Kiso H, Togo Y, Saito K, Sugai M, Akira S, Shimizu A, Bessho K. ,Prospective signs of cleidocranial dysplasia in Cebpb deficiency., J Biomed Sci, 2014.論文が見れます。
黄(ハン)先生が、Cebpbノックアウトマウスにおいて、鎖骨頭蓋形成不全症に近い表現型が見られたことを報告しております。
Katsu Takahashi, Yumiko Togo, Kazuyuki Saito, Honoka Kiso, Boyen Huang, Hiroko Tsukamoto, Kazuma Fujimura, Kazuhisa Bessho, Two non-syndromic cases of multiple supernumerary teeth with different characteristics and a review of the literature, 2016.論文が見れます。
非症候性の多発性過剰歯の症例を報告しています。歯の再生研究です。
Yumiko Togo, Katsu Takahashi, Kazuyuki Saito, Honoka Kiso, Hiroko Tsukamoto, Boyen Huang, Motoko Yanagita, Manabu Sugai, Hidemitsu Harada,
Toshihisa Komori, Akira Shimizu, Mary MacDougall, Kazuhisa Bessho, Antagonistic Functions of USAG-1 and RUNX2 during Tooth Development、PLOS ONE, 2016.論文が見れます。
ノックアウトマウスの研究で、歯の発生に対して、USAG-1とRUNX2が拮抗的な役割を果たしていることを報告しています。歯の再生研究です。
Masakazu Asahara, Kazuyuki Saito, Taushi Kishida, Katsu Takahashi, Kazuhisa Bessho, Unique pattern of dietary adaptation in the dentition of Canivora: its advantage and developmental origin, Proceedings B, 2016.論文が見れます。
学位の副論文です。京大総合博物館との共同研究です。理学博士の浅原正和先生(現愛知学院大学准教授)には、統計学的手法などを教えていただきました。下顎臼歯の相対サイズを調べた研究で、クマ科は食肉目の祖先型から食肉目の特徴的な変異性に従って徐々に進化した延長線上にあり、その変化はBmp7ヘテロマウスの歯の形態変化の方向性と類似しており、現生クマ科の系統で高い非同義置換/同義置換比を得て、Bmp7に選択圧がかかって適応進化が起きたことを報告しています。分子進化学の論文です。
K Saito, K Takahashi, M asahara, H Kiso, Y Togo, H Tsukamoto, B Huang, M Sugai, A Shimizu, M Yanagita, M Motokawa, K Bessho, Effect of Usag-1 and Bmp7 deficiency on murine tooth morphogenesis, BMC Developmental Biology, 2016.論文が見れます。 和文抄録が見れます。学位審査会用スライドです。学位審査会の教授の先生方との質疑応答のレポートです。
学位論文です。Usag-1とBmp7遺伝子の発現量の減少が歯の大きさを変化させる例を示しました。歯の再生研究です。
Katsu Takahashi, Khaled Gamal Dahy, Kazuyuki Saito, Hiromu Masuoka, Shigehiko Suzuki and Kazuhisa Bessho,Patient With Cleft Maxillary Hypoplasia Who Underwent Distraction Osteogenesis and Conservative Therapies to Postoperative Velopharyngeal Insufficiency, The Journal of craniofacial surgery, 2017. 論文がみれます。
京大形成外科との共同研究です。上顎骨延長装置を用いて治療した唇顎口蓋裂術後上顎後退症の症例報告です。
Khaled Gamal Dahy, Katsu Takahashi, Kazuyuki Saito, Azumi Kakeno, DDS, Honoka Kiso, Yu Isobe, Sayaka Mishima, Keita Asai, Abd-Elmateen Moussa, Badawy Shahat, Ibrahim Rezk, Toru Oga, Satoshi Morita, Kazuo Chin and Kazuhisa Bessho,The Relationship Between Cephalogram Analysis and Oxygen Desaturation Index During Sleep in Patients Submitted for Mandibular Setback Surgery, The Journal of craniofacial surgery · February 2018.論文が見れます。
エジプトからの留学生の医師の論文で、京大呼吸器内科との共同研究です。下顎骨切り術と睡眠時無呼吸症候群との関連を調べました。
Kazuyuki Saito, Katsu Takahashi, Boyen Huang, Masakazu Asahara, Honoka Kiso, Yumiko Togo, Hiroko Tsukamoto, Sayaka Mishima, Masaki Nagata, Machiko Iida, Yoshihito Tokita, Masato Asai, Akira Shimizu, Toshihisa Komori, Hidemitsu Harada, Mary MacDougall, Manabu Sugai & Kazuhisa Bessho, Loss of Stemness, EMT, and Supernumerary Tooth Formation in Cebpb−/−Runx2+/− Murine Incisors, Scientific Reports, 2018.論文が見れます。補足データです。
京大ゲノム医学センター、愛知県発達障害研究所との共同研究です。CebpbとRunx2遺伝子の発現量の変化によって、歯の幹細胞が変化していることを報告しています。歯の再生研究です。ゲノム医学センターの菅井学先生(現福井大学医学部教授)には分子生物学の基本的な実験手法、ウイルスベクターによる遺伝子導入など教えていただき感謝しております。発達障害研究所周生学部部長の浅井真人医師からも免疫染色やその他実験手技などをご指導頂きました。大学院、研究員の際の指導教官であった高橋克先生の御指導によって、研究活動を8年に渡って続けることができ、大変感謝しております。
最後に2023年6月にご逝去された指導教授の別所和久先生に感謝申し上げます。口腔外科診療や大学院生、研究生としての研究活動をご指導頂き、多くのことを学ばせて頂きました。
今後も諸先生方の教えを大切にし、分子生物学や研究活動で得たものを日々の臨床に生かしていきたいと思っております。
学会発表
歯牙再生に向けたBMP7を用いた歯の大きさの制御 第11回日本再生医療学会 横浜市 2012.6.12-14
BMP7、USAG-1の発現量減少は下顎切歯体積を増大させる 第19回BMP研究会 東京都 2012.7.22
BMP7ヘテロマウス、USAG-1ヘテロあるいはKOマウスは歯の大きさが変化する 第67回日本口腔科学会学術集会 2013.5.22-24
分子標的治療にて歯の再生を目指したC/EBPβとRunx2のDKOマウスを用いた歯の分化機序の解明 第13回日本再生医療学会 京都府 2014.3.4-6
C/EBPβとRunx2を用いた歯の再生へ向けた基礎的研究 第59回日本口腔外科学会 2014.10.18
分子標的治療にて歯の再生を目指したC/EBPβとRunx2を用いた歯の分化機序の解明 第14回再生医療学会 横浜市 2015.3.19-21
エナメル上皮細胞におけるCebpβとRunx2の作用機序の解析 第15回再生医療学会 大阪府2016.3.17-19
研究活動で使用していたプロトコルなど
研究活動でまとめていたものです。お役に立てるものがありましたら、ご参考にされてください。ゲノム医学センターで研究していたときは拙い和製英語でまとめていたので、ちょっと見づらいものもあるかもしれません。研究者の方々などにお役に立てれば幸いです。
細胞培養の基礎知識 Western blotting of transfectioned cells マウス管理 RNA extraction from tissues RNA extraction RT-PCR 遺伝子型解析 FACS calibur Decision of Statistical Analysis Observation of chromosome Culture of E.coli Preparation of plasmid and subcloning Analysis of mRNA PLAT-E transfection Genotyping Infection of mHAT9d with retrovirus Western blotting Mycoplasma Detection Transformation with Plasmid Vector