歯ぎしりを家の人から指摘されることはありませんか?
朝起きたとき、あごの周りの痛みや疲労感、頭痛や口が開きにくいといった症状がありませんか?
保険診療でオーダーメイドの口腔内装置(アプライアンス)を製作でき、適合が良いものが作れます。ハードタイプとソフトタイプがありますが、まずは強度が高く、調整ができるハードタイプをお勧めします。上顎につけるものが一般的です。
歯ぎしりや食いしばり・噛みしめから歯や顎関節の負担を軽減できます。欠点を挙げると、夜使用する場合は、装着すると気になって寝られない人もいます。
使用開始後、必要に応じて、口腔内装置の調整を行います。脱着、内面の適合や噛み合わせについてです。
睡眠と歯ぎしり(ブラキシズム)について
睡眠時ブラキシズムの大半が浅いノンレム睡眠時に発生します。自律神経系活動の変化である交感神経の亢進、副交感神経の低下(睡眠時ブラキシズムの約4分前)が起こり、脳波活動の亢進、心拍数の増大が起こり、開口筋の活動の直後に閉口筋の活動を主体としたブラキシズムが起こることが確認されています。この時には突然の脳波の周波数変化を認め、睡眠段階の判定には関与しない短い覚醒(微少覚醒:micro-arousal)も観察されます。ブラキシズムの原因はストレス、アルコール、遺伝(セロトニン2A受容体遺伝子多型:遺伝子多型polymorphismとは、遺伝子の表現型に致命的な影響を与えない範囲の遺伝子の個体差のことです。 一般的に人口の1%以上の頻度で存在するものを指します。 遺伝子多型が生じる原因としては、DNAを構成する塩基が他の塩基に置き換わる置換、塩基が失われる欠失、新たな塩基が入り込む挿入といった変異が知られています。)、飲酒、薬物(抗うつ薬SSRIなど)、胃食道逆流症、睡眠障害があります。
治療法は、保険診療ではスプリント療法があり、また、フィードバック療法として、睡眠時の歯ぎしりやくいしばりを測定し、歯ぎしりを検知すると弱い電気刺激を発生させることにより、それらを低減する機器としてサンスターバトラー グラインドケア(税抜90,880円)があります。
また、ストレスマネージメント、飲酒や喫煙に対する指導、服薬の変更、胃食道逆流症の治療(プロトンポンプ阻害薬の服用)や睡眠障害の治療でブラキシズムを抑制できる可能性があります。
噛みしめ呑気症について
最近では、無意識に、噛みしめたり、空気を飲み込んでしまうことにより、胃に空気が大量に入り込み、胃腸内にガスとして貯留することにより、げっぷ、おなら、お腹のハリをはじめ頭痛、肩こり、目の痛み、吐き気などさまざまな症状が発生する噛みしめ呑気症も問題となっています。