歯科治療に対して強い恐怖感のある方、歯科治療で脳貧血を起こした、外科手術が怖いなどに対して、静脈内鎮静法での治療を行います。点滴から薬剤を投与し、半分眠っているような状態(うとうとするが、指示には従え、軽く眠っても呼びかけで目を覚ます状態)を作り、不安や恐怖心を和らげます。記憶がとぶ効果もありますので、歯科治療へのトラウマが生じないという利点もあります。

ご要望があればご相談ください。一度保険診療で口全体のレントゲン写真や検査などをして、治療計画を立ててからのほうが良いと思われます。恐怖感のある治療のみ静脈内鎮静法を用いても良いと思います。

薬の効き方には個人差があります。喫煙者、肥満の方、他全身状態に問題のある方は適切な鎮静を得られない場合があります。ヘビースモーカーの方は非喫煙者に比べて、痰の分泌が増加し肺炎を起こすリスクが上がるため、2週間以上の禁煙をお願いしています。

適応症

・歯科恐怖症の方
・歯科治療により血管迷走神経反射(脳貧血)、過換気症候群、パニック障害などを引き起こしやすい方
・高血圧の方
・心疾患のある方
・侵襲の大きい治療を受ける方

禁忌症

①上気道閉塞のある方
・小顎症の方
・肥満の方
・口蓋扁桃(扁桃腺)の肥大のある方
・睡眠時無呼吸症候群の方
②妊娠3ヶ月未満または妊娠後期の方
③知的障害のある方
④小児(15歳以下)の方
⑤低体重の方
⑥重度の全身疾患を有し、呼吸・循環予備力が低下している方
⑦開口障害のある方
⑧フルストマック(胃にたくさん食べ物が入っている状態)の方
⑨口腔内大出血・腫脹が予想される手術
⑩神経・筋疾患のある方
11向精神薬の長期内服治療を受ける方
12以前の静脈内鎮静法で有害事象の発生した患者
13重症筋無力症の方
14HIVによりプロテアーゼ阻害薬(リトナビル)を服用している方
15急性狭隅角緑内障のある方