オーラルフレイル(口腔機能低下症)は50歳以上の方が加齢(年をとる)・基礎疾患(からだの病気)・お薬の副作用・低栄養(栄養不足)・廃用(使わないため衰える)などの原因によって、だんだんと、複数のお口の機能が低下することを示します。放置しておくと、咀嚼障害(食べれない)、摂食嚥下障害(飲むこめない)となって全身的な健康を損ないます。50歳未満でも全身疾患により、生じることがあります。
オーラルフレイルに関わる医療機器
当院で導入している医療機器をご説明いたします。
①口腔水分計:舌の水分量を測定します。
低下している場合は、口腔乾燥を示します。お薬の服用状況の確認や、頻回の水分補給、唾液腺マッサージ、マスク着用、頻回のうがい、口腔保湿剤の使用などで改善をはかることができます。
②舌圧計:バルーンを舌と上あごではさみ、舌の運動機能を最大舌圧として測定します。
低値の場合は、低舌圧を示し、舌が嚥下時(のみこみのとき)に上あごにうまくくっつけることができない可能性がありますので、機能訓練にて改善を図ります。また、舌が上あごにくっつくようにするため、舌接触補助床の製作を検討する場合もあります。
③咀嚼能力検査装置:グミを20秒咀嚼し、得られたろ液を測定し、咀嚼能力(かむ力)を数値化します。
低値の場合は、咀嚼機能低下を示します。機能訓練によって改善を図ります。また、歯周病の進行が咀嚼能力を大きく低下させることが報告されています。歯周病の治療、詰め物、かぶせもの、ブリッジ、入れ歯の治療によって改善できます。
オーラルフレイルには他にも以下のような検査項目があります。
④口腔衛生状態不良:舌の汚れ具合を評価します。不良な場合、舌ブラシによる清掃にて改善を図ります。
⑤咬合力低下:残っている機能している歯の数を数えます。
⑥舌口唇運動機能低下:パ・タ・カをそれぞれ30秒間連続して発音して頂き評価します。低下している場合機能訓練にて改善を図ります。これらは発音だけでなく、食事の能力にも関わります。
パ 唇を閉じる動き:食べ物の取りこぼしに関わります。
タ 舌の先を上の前歯の裏につける動き:食べ物をすくいあげたり、食べ物を舌で奥へ送り込む動きに関わります。
カ 舌の奥を上顎へとつける動き:食べ物を口の中に保持する動きに関わります。
⑦嚥下機能低下:アンケートにて評価します。低下している場合、機能訓練にて改善を図ります。
今までの7つの検査項目において、3つ以上の機能低下の該当基準の項目があると口腔機能低下症と診断されます。機能低下の項目のトレーニング(クリックすると内容がわかります。)を行っていただきます。当院では、半年に一回検査をさせて頂き評価致します。毎月機能訓練の状態の確認をさせていただきます。
飲み込めない、むせる方へ
むせたり、飲み込めないという方は、下記の3つを習慣付けると日常の生活で改善できると思います。良かったら実践してみてください。
①日頃から咳払いをする
②カラオケで口を大きく開けたり、裏声を出したり、強く発生する。
③ショッピングで重い荷物をエイと持ち上げる。(何か声を出すのが大事です。)