自費の入れ歯で希望者が多いのは上顎の金属床の総入れ歯と合成樹脂クラスプの入れ歯と片側性義歯です。


上顎の金属床の総入れ歯は熱が伝わりやすく、美味しいといった特徴があります。薄いので、「さ行」、「た行」、「ら行」の発音の影響も出にくいです。使用金属はチタンとコバルトクロムがあります。チタンはアレルギーがない、軽い、汚れにくいといった特徴があります。コバルトクロムは、とても薄くできる、丈夫であるといった特徴があります。咬座印象(咬んだ状態で型を採る)という技術を使用しております。
総義歯では選定療養という保険診療と併用のシステムがあります。療養の際の支払金額はチタンで20万1千円(税込み)、コバルトクロムで9万6千円(税込み)です。保険の支払いはいつも通りです。また、選定療養で製作した総義歯は保険で修理することができます。
また、合成樹脂クラスプ入れ歯も紹介します。


クラスプ(歯を支えるバネ)の見える部位を歯肉の色に合わせた合成樹脂にできますので、審美的な仕上がりです。見えないところは、金属を使わせていただくこともできます。金属を用いることで強度を上げることができ、舌感の良い一体感のある形態にできます。できるだけ歯に金属を沿わせると義歯がより安定します。この場合、金属床とのコンビネーションになり、料金は合算されます。価格はお尋ねください。ちなみに写真の義歯は17万円(税込み)です。
遊離端(奥の方に歯が無い場合)義歯製作の際にはオルタードキャスト法(咬んだ状態で型を採り、沈み込みを防ぐ)という技術を使用します。上唇小帯(上唇の裏のヒダ)や頬小帯(頬と歯肉にかかるヒダ)によって合成樹脂のクラスプの形態が邪魔される場合には、それらを切除する(保険診療)ことをお願いすることもあります。
最後に、片側のキー&キーウェイ入れ歯もご紹介致します。




片側の奥歯が2歯欠損あるいは3歯欠損の場合が検討されます。前方に連結冠を製作します。外すことができますが、半固定式となり、しっかりと動きにくい入れ歯となります。写真の入れ歯と連結冠で22万(税抜き)です。
自費の入れ歯の修理・調整は自費(保険診療の10割負担)となりますので、ご了承下さい。
総入れ歯あるいは多数の欠損がある場合、自費の義歯を作る前にお試しとして保険で義歯を作ることをお勧めします。問題なければ、保険で作った入れ歯を参考にして、最終的な義歯を自費で作らせていただきます。
問題があれば、粘膜調整やかむ位置の調整(下顎の臼歯部を平らなボックス状にして、かむ位置を決めていく)、咬合平面の調整(かみ合わせの高さを平らにする)、咬合挙上(低くなったかみ合わせの高さを上げる)などを行っていきます。良い状態になれば、その情報を参考に最終的な義歯を作らせていただきます。(良い状態になったかどうかは、患者様の意見、患者様の家族の意見、習慣性開閉口運動や咀嚼運動や咀嚼能率検査、食事内容のアンケートなどで評価致します。)片側性咬合平衡(噛んでいる側の反対側が浮き上がらない)といった技術を用いて歯を並べています。