開窓術


CTを撮影して、埋伏歯が浅い場合開窓術が検討されます。

開窓術の適応は以下の条件になります。
・歯根が過度に弯曲していない
・歯冠形態に異常がない
・歯根が未完成であることが望ましい
・埋伏歯誘導のスペースがある
・埋伏歯及び歯周組織が健全である
・埋伏原因が外科的に除去できる
・癒着がない

開窓術をした後、必要に応じて牽引や矯正を行うこともあります。

以下の条件の場合は自然萌出とします。
・正常もしくはそれに近い萌出方向にある
・十分な萌出スペースが確保できている
・埋伏歯の萌出力が期待できる
・歯根が未完成
・同名歯の萌出時期に比較的近い

埋伏歯が深い場合、歯の移植、経過観察などがありますが、専門医へ紹介致します。

手術の内容について説明します。
局所麻酔を行う。
歯冠の直上に切開を入れる。
歯胚・骨・粘膜を除去して歯冠を露出させます。
手術後に手術部位の出血、感染、疼痛、違和感、周囲歯肉の発赤腫脹を生じる可能性があります。術後に永久歯が歯肉に再被覆されることがあります。その場合再度手術を検討致します。手術の注意すべき点を挙げます。
・開窓側は歯冠の最大豊隆部が露出するまで歯胚組織と骨組織を除去する
・非開窓側はエナメル質と骨が直接接触しないように歯胚組織を保護します。
・術中に歯を揺すり歯根が癒着していないかを確認します。

舌小帯切除術


「哺乳が上手にできない」、「話すときに舌がもつれる」、「硬いものが上手に食べれない」といった、哺乳障害、発音障害、摂食・嚥下障害が認められることが多く、治療によって改善することが多いです。

具体的な発音障害の例:
・ タ行音やサ行音を発音するときに、舌を上下の前歯の間に挟んで発音する歯間音化
・ ラ行音が歪む
・ ラ行音がつづく単語や速い会話だと発音が不明瞭になる
・ 口をあまり開けずに小さな声で話す

手術の説明をします。

①術前から機能訓練(スポットトレーニングなど)を行います。

②ワルトン管開口部から7mm離し、局所麻酔は0.8ml程度注入します。舌尖に糸をかけ、上方に牽引します。電気メスにて小帯を水平に切開し、ガーゼで 創面を圧迫して縦方向に引き伸ばし、菱形の創面が出現します。顎堤側に付着している場合、舌側と顎堤側の2箇所を電気メスで切除します。

③術後も機能訓練(フルフルスポットなど)を行います。
術後の様子です。

舌小帯は再び形成されます。
また再発したら再度施行いたします。手術後に手術部位の出血、感染、疼痛、違和感、周囲歯肉の発赤腫脹を生じる可能性があります。舌下面にBlandin-Nuhn嚢胞(風船のようなできもの)ができることがあります。