矯正治療の治療期間を短くしたい場合、加速矯正を行うこともできます。当院で行なっている治療では、前歯ワイヤー矯正やインビザラインGOが加速矯正を行うことができます。
加速矯正では、機械を用いたスクリューで頬側、唇側の骨に穴を開けます。約1.5倍~4倍程の歯の移動が認められており、うまく利用すれば治療期間の短縮が見込めます。加速矯正は矯正治療中複数回の場合も含み片顎3万円(税抜き)で行わせていただきます。
目的と説明
骨にダメージがあると、その骨の局所において、破骨細胞の増加と伴う一連の生体反応が起こり、一時的に骨密度が下がる分解期と、またそれに引き続き、骨芽細胞が増加し、骨密度が増す合成期が来ます。この分解期の一時的な骨密度の減少期を利用して、矯正のスピードを早める方法です。これを加速矯正といいます。約1.5倍~4倍程の歯の移動が認められており、うまく利用すれば治療期間の短縮が見込めます。
治療手順
①歯の移動を加速させたい部位の解剖学的評価を✕線撮影にて行います。
②局所麻酔を行います。
③目的となる部位の皮質骨に歯科矯正用アンカースクリューを用いて骨穿孔を行います。
④まず、スクリューを歯肉に対して 90°に保持します。
⑤スクリューの先端が皮質骨を突き抜けて、海綿骨に至り目的の深度になるまで、ハンドルを時計回りに回転させ、先端を押し込んでいきます。
⑥目的の深度に達した後、反時計回りに回転させ、スクリューを抜き取ります。
注意点
・矯正のスピードは個人差がありますので、期待したスピードが得られないことがあります。
・スクリューで歯根に損傷を与えることがあります。疼痛や硬さで感知できるため大きな損傷はないです。
・出血が多量にでることがあります。止血して、場所を変えて再度スクリューで孔を開けます。
・上顎洞に穿孔した場合、上顎洞炎を起こすことがありますが、まれです。
・オトガイ孔を損傷し下唇の知覚障害が現れることがありますが、まれです。