残根がある場合、磁石を使った入れ歯が保険適応で製作できるようになっています。

根の治療が完了した歯周病の無い残根に磁気に反応するキーパー(磁性ステンレス鋼)を付け、入れ歯にも磁石(マグネット)を設けることで、磁力を使って入れ歯が外れにくくなります。外れにくくなるため、クラスプ(バネ)を設けなくても良いケースが増え、審美的な設計が可能になります。

保険収載されたので、半年したら、新製作できることも大きなメリットです。トラブルや設計変更などにも対応できます。

欠点としては、MRIの撮影の際に、キーパーによって撮影した画像が乱れる(金属アーチファクト)可能性があることです。そのため、MRI撮影前に口の中のキーパーを外すこともできます。医師へ、磁石を用いた入れ歯を持っていることを伝えるカードもお渡しいたします。また、保険でキーパーと磁石を再装着できます。MRIの撮影において、大脳、小脳、延髄、脊髄などの診断には全く支障がないことが確認されています。

キーパーと磁石にギャップができると磁力が低下します。経年的に入れ歯がゆるくなってくるとギャップが生じる可能性があります。再度作り直しをしたり、入れ歯の内面を合わせる修理をしたりして対応いたします。

キーパーのついた歯はよくブラッシングしてきれいにしておく必要があります。