嚥下内視鏡検査はVE(Videoendosvopiv evaluation of swallowing)と言います。
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内視鏡のファイバーを鼻から挿入して、のどの状態を観察する検査です。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会の認定士資格を活かして、内視鏡検査を実施しています。訪問歯科診療や外来でも嚥下障害(食べ物を飲み込むときのトラブル)のある方の診断に役立ちます。
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嚥下内視鏡検査VEについてわかりやすく説明したいと思います。
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VEの利点
- X線撮影では無いため、被曝がありません。
- 普段の食事摂取の評価が可能です。
- 唾液や痰の観察が可能です。
- 長時間の観察が可能です。
- 患者や介護者の説明に役立ちます。
VEの欠点
- 嚥下(食べ物の飲み込み)動作の瞬間が見えません。
- 準備期・食道期が見えません。
- 内視鏡の操作による不快感があります。
- 気管後壁が見えません。
- 内視鏡画像の特徴として辺縁歪みが大きい、被写界深度が深い(対物レンズが観察物と離れても近づいてもピントが合う。対象物の大きさを実寸で計測することはできません。)ことが挙げられます。
どのようなことがわかるか?
観察点1
発声時、嚥下時の軟口蓋の挙上と咽頭収縮による鼻咽腔閉鎖を観察できます。
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観察点2
喉頭蓋の様子、食物の状態、唾液・痰の様子を観察できます。
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観察点3
喉頭内侵入、声帯を超える気管内誤嚥を観察します。吸気時の喉頭開大、息ごらえ時の被裂・声帯の閉鎖を観察して、喉頭閉鎖機能を観察できます。誤嚥を防止できる能力を見ることができます。
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起こりやすいトラブルとその対応
失神発作(血圧低下・徐脈・意識消失)
緊張を緩和します。内視鏡の愛護的な操作を心がけます。救命措置を行います。
鼻出血・咽頭出血
内視鏡の丁寧な操作を心がけます。タンポンなどでの圧迫止血を図ります。耳鼻咽喉科をご紹介いたします。
声帯損傷
内視鏡で声門を触らないように操作いたします。嗄声(させい:声がかすれる)をきたすこともあります。耳鼻咽喉科をご紹介いたします。
喉頭痙攣
内視鏡で声門を触らないように操作いたします。酸素投与とゆっくりとした呼吸で回復することが多いです。救命処置を行います。
引用
日本摂食嚥下リハビリテーション学会ホームページ
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