下顎の親知らず(智歯、8番目の歯)は、正しく生える為の十分なスペースがないときに抜歯を検討されます。
CTによって下顎の親知らずの様子が3次元でわかります。
親知らずの抜歯手術が必要となる主な理由を説明致します。(特に一部親知らずが出ているとき)
①周囲の歯ぐきや骨の炎症が悪化する可能性があるから
②第二大臼歯(手前の奥歯)がむし歯、歯周病になる可能性があるから
③全身的疾患の病巣として問題になりうるから
手術の手順ですが、下顎の骨についている粘膜をはがし、歯を抜くのに障害となる骨を削除したり歯冠部分を分割して、親知らずの抜歯を行います。
手術後には、頬の腫脹や開口障害や、嚥下障害(飲み込むとき痛い)や、疼痛が生じる場合がありますが、普通は手術後3日から4日ぐらいで次第に和らいできます。
親知らずの根の先がCTにて下歯槽神経に接する場合は通常総合病院の口腔外科を紹介しますが、2段階法もあります。
口腔外科では専門医による手術、全身麻酔、精神鎮静法、入院、術後知覚障害の専門的治療などができます。
智歯の抜歯手術によって次のようなことが起こる可能性があります。
①下歯槽神経が傷つき、手術した側のみの下口びるがしびれるなどの神経の障害が起こる。下口びるの動きが障害されることはありません。
②下顎骨の内側を走る舌神経を麻酔の注射時や手術中に損傷し、手術後に手術した側の舌のしびれた感じや味が分かりにくくなる。
③下顎骨が折れる。
④手術後の疼痛、出血や傷が化膿して治りにくい。