
生まれてくる赤ちゃんのために。お母さんのお口から始める「マタニティ歯科」
妊娠中、お母さんの身体にはさまざまな変化が起こります。実は、お口の中の健康状態が、お腹の赤ちゃんの成長や安産に深く関わっていることをご存知でしょうか?
最新のデータからわかった、妊娠中の歯科ケアの大切なポイントをご紹介します。
1. 歯周病は「安産」を妨げるリスクに
重度の歯周病は、早産や低体重児出産の大きなリスク因子であることがわかっています。
-
メカニズム: お口の中の歯周病菌や炎症物質が血液に入り込み、胎盤を通ってお腹の赤ちゃんに到達します。すると、身体が「出産が始まった」と勘違いして、子宮の収縮を早めてしまうと考えられています。
-
リスクの高さ: 健康な妊婦さんと比較して、重度歯周病がある場合は早産のリスクが数倍高まるという報告もあります。
2. 妊娠中は「歯ぐきのトラブル」が起きやすい時期
妊娠に伴うホルモンバランスの変化(エストロゲンやプロゲステロンの増加)により、お口の中の血管が敏感になり、特定の細菌が増えやすい環境になります。
-
妊娠性歯肉炎: 妊婦さんの約半数から7割近くに認められます。特にお腹が大きくなる妊娠中期から後期にかけて悪化する傾向があります。
-
プロのケアで解決: 歯科衛生士によるクリーニング(プロフェッショナルケア)を受けることで、こうした炎症を大幅に抑えることが可能です。
3. 「いつ治療を受けるのがいい?」安心のスケジュール
「妊娠中に歯の治療をして赤ちゃんに影響はない?」と心配される方も多いですが、最新のデータでは、適切な対策を講じた治療は胎児への悪影響を及ぼさないことが示されています。
-
安定期がベスト: 胎盤が完成する妊娠中期(5ヶ月〜7ヶ月の安定期)に治療を完了させることが最も推奨されます。
-
放置は逆効果: 痛みや感染を我慢してストレスを抱える方が、母体や全身への影響(リスク)が大きくなってしまいます。
4. マイナス1歳からのむし歯予防
赤ちゃんのむし歯予防は、生まれる前から始まっています。
-
菌の伝播を防ぐ: お母さんの口内のミュータンス菌(むし歯菌)を妊娠中から減らしておくことで、生まれた後の赤ちゃんへの菌の伝達を遅らせ、将来のむし歯リスクを劇的に下げることができます。
-
健康のプレゼント: 妊婦歯科検診は、次世代の健康を左右する極めて重要な「学習の機会」でもあります。
地域の「妊婦歯科検診」を活用しましょう
自治体や医療機関が提供する妊婦歯科検診を受診した方は、受診しなかった方と比較して、出産トラブルのリスクが有意に低いというデータが出ています。
お口を整えることは、赤ちゃんを守ること。 当院では、体調に配慮しながら、優しいケアとアドバイスであなたのマタニティライフをサポートします。
