抜歯をあきらめる前に。歯を残すための「歯根端切除術」
歯の根の先に「膿の袋(歯根嚢胞)」ができると、痛みや腫れを引き起こします。通常は、歯の内側を掃除する根管治療(根の治療)で治癒を目指しますが、中には通常の治療だけでは改善しないケースがあります。
当院では、他院で「抜歯するしかない」と言われた歯でも、外科的なアプローチによって残せる可能性があります。
根管治療で治らない場合の「次の一手」
以下のようなケースでは、通常の根管治療ではなく、外科的に根の先を処置する「歯根端切除術」が適応となります。
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根管が複雑に曲がっていたり、途中で閉塞している場合
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頑丈な金属の土台(コア)が入っており、除去すると歯が割れるリスクがある場合
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長いブリッジがかかっており、外して治療することが困難な場合
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何度も根管治療を繰り返しても、症状が改善しない場合
当院の治療方針と骨再生のサポート
手術では、歯ぐき側から直接アプローチして病巣を取り除きます。その際、病気によって失われた骨の回復を早めるための処置も行っています。
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精密な診断と高度な連携 病巣が非常に広範囲(大きな嚢胞)である場合は、安全を第一に考え、速やかに大学病院等の専門機関へご紹介いたします。
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骨再生を促す「骨造成術」(自費診療) 中程度の骨欠損がある場合、人工骨や「人工吸収性メンブレン(骨を保護する膜)」を使用し、骨の再生を強力にバックアップします。
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費用:50,000円(税別)
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※保険診療の歯根端切除術と併用して行う、高度な骨再生オプションです。
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納得して治療を受けていただくための「無料カウンセリング」
治療に関する不安や費用について、しっかりとお話しできる場をご用意しています。
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対面カウンセリング:お一人様3回まで無料(各30分) 現在の状態を詳しく解説し、治療計画をご提案します。
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オンライン(Google Meet)相談も可能 遠方の方や、まずは話を聞きたい方向けにオンライン相談も承ります。 ※事前に当院にて「パノラマX線写真」および「口腔内写真」の撮影(保険診療等)が必要です。
ご案内 ご希望の方には、詳細なご提案書およびお見積書を作成いたします。大切な歯を守るための最善の選択を、一緒に考えていきましょう。
歯を残すための外科治療:歯根端切除術・歯根嚢胞摘出術
(保険診療適応)
通常の根管治療(歯の内側の掃除)では治りきらない場合、外科的に根の先の病巣を取り除くことで、抜歯を回避できる可能性があります。
手術のステップ:精密な処置で再発を防ぐ
手術は局所麻酔下で行うため、痛みには十分に配慮いたします。
1.病巣の除去:歯ぐきを小さく切開し、骨の中にある膿の袋(嚢胞)をきれいに取り除きます。

2.歯根の切除:細菌の温床になりやすい歯根の先端(約3mm)をカットします。
3.チェック:ミラー(歯科用小鏡)や内視鏡で切断面を詳しく観察し、感染の原因を特定します。
4.逆根管充填(封鎖):超音波器具で切断面を清掃した後、バイオセラミックスなどの生体親和性の高い材料で根の先を密封し、細菌の繁殖を完全に遮断します。
5.洗浄と縫合:術部をきれいに洗浄し、歯ぐきを元の位置に戻して縫い合わせます。
対応部位について:前歯や小臼歯だけでなく、技術的に難易度の高い奥歯(大臼歯)への施術も可能です。
術後のスケジュール
手術当日は痛み止めと抗生剤を処方いたします。
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翌日:術部の消毒
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1〜2週間後:抜糸
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1〜2ヶ月後:経過確認
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1年後〜:定期検診(レントゲンによる骨の再生確認)
術後の主な症状と対応
手術後に以下の症状が出ることがありますが、多くは一時的なもので、適切に対応いたします。
| 症状 | 経過の目安 |
| 痛み | 1〜2日程度。鎮痛剤でコントロールできる範囲です。 |
| 腫れ | 術後2〜3日がピークで、約1週間で落ち着きます。 |
| 皮下出血 | 頬にアザ(紫〜黄色)が出ることがありますが、1〜2週間で自然に消えます。 |
| しびれ感 | 切開部周辺に違和感が出ることがありますが、多くは自然に回復します。 |
| 感染 | 稀に細菌感染を起こすことがありますが、その際は速やかに処置します。 |
予後とメンテナンスについて
この手術の成功率は90%以上と非常に良好です。
しかし、歯根そのものに亀裂(破折)がある場合などは、残念ながら再発や抜歯が必要になるケースもあります。
「せっかく残した歯を、長く守り続けるために」
手術後1年、2年、3年と定期的にレントゲン撮影を行い、骨がしっかり再生されているかをチェックすることが重要です。もし途中で違和感があれば、予約外でもすぐにご連絡ください。
骨の再生を助ける「骨造成術(オプション)」
(自費診療:50,000円+税)
歯根端切除術を行う際、膿の袋(嚢胞)によって失われた骨の範囲が広い場合や、自然な回復が難しい形状をしている場合があります。その際、治癒を確実に早めるために「骨造成術(こつぞうせいじゅつ)」を併用することがあります。
なぜ骨造成が必要なのですか?
大きな空洞が残ったままになると、そこに骨ではなく「線維性の組織(やわらかい組織)」が入り込んでしまい、十分な強度が回復しなかったり、再発のリスクが高まったりすることがあります。 人工の材料を補填することで、ご自身の骨が再生するための「足場」を作り、より確実な治癒へと導きます。
使用する高度な再生材料
当院では、生体親和性が高く、安全性の確立された国内メーカーの材料を採用しています。
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人工骨「ボナーク」(東洋紡) ご自身の骨に置き換わっていく性質を持つ、高品質な人工骨補填材です。
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吸収性人工膜「サイトランス エラシールド」(GC社) 骨が再生するスペースを保護するための特殊な膜です。時間の経過とともに自然に体内に吸収されるため、取り出すための再手術は不要です。
手順(症例写真と合わせて)
手術の最終段階で以下の処置を行います。
1.人工骨の補填 病巣を取り除いた後の空洞に、人工骨(ボナーク)を隙間なく慎重に填入します。


2.人工膜による封鎖 人工膜(サイトランス エラシールド)で覆い、周囲の軟組織が入り込まないようバリアを張ります。

3.縫合 最後に歯ぐきを丁寧に戻し、細かく縫い合わせます。

歯科医師よりメッセージ 骨造成を併用することで、通常では抜歯を検討せざるを得ないような大きな病巣でも、歯を残せる可能性がぐっと高まります。 予後の経過については、定期的なレントゲン確認を行い、骨がしっかり再生しているかを一緒に見守っていきましょう。
