抜歯をあきらめないために。歯ぐきの骨を再生する「リグロス」
歯周病が悪化して、歯を支える骨が溶けてしまうと、放っておけば歯が抜け落ちてしまいます。そんな状況を救うのが、最新の再生医療を応用したお薬「リグロス」です。
リグロスは、体の中にある「組織を成長させる力」を引き出し、失われた骨や歯ぐきの再生を強力にサポートします。 「もう抜くしかない」と言われた歯を、自分自身の力で再びしっかり支え、健康な状態へ若返らせるための治療法です。
治療の流れと注意点
1. 治療前の準備(ここが最も重要です)
リグロスの効果を最大限に引き出すため、まずは徹底したブラッシング指導と歯石除去を行い、お口の中の環境を整えます。お口が清潔な状態でなければ、再生の成功率は下がってしまうからです。
2. 手術の内容(約1時間で完了します)
お口の状態が整ったら、リグロスを用いた手術を行います。
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清掃: 歯ぐきを切開し、奥深くにある歯石や、炎症の原因となっている組織(不良肉芽)を丁寧に取り除きます。
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塗布: 骨を失った部分にリグロスを注入します。


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併用: 骨の欠損状態により、必要に応じて骨移植(骨を補う処置)を同時に行う場合もあります。
3. 適応の判断
リグロスはすべての症例に使えるわけではありません。骨の溶け方(形や深さ)によっては、リグロスを使用しない方が良い結果につながる場合もあります。事前の精密な診断に基づき、最適な治療法をご提案します。

このような骨の溶け方の場合は適応になります。
自費の歯周組織再生治療
手術の具体的な流れ
まず、歯ぐきを少し開いて、普段の掃除では届かない奥深くにこびりついた歯石や、炎症の原因である悪い組織(不良肉芽)を丁寧に取り除きます。その後、骨を失った部分に「リグロス」を流し込み、再生を促します。
保険診療と自由診療(自費)の違い
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保険診療の場合: リグロスと「ご自身の骨(自家骨)」を組み合わせて治療を行います。ただし、保険が適用できるのは「骨の溶け方」がある一定の条件を満たしている場合に限られます。
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より重度の症状の場合: 重度の歯周病で保険の基準に当てはまらないケースでは、人工の骨・膜・コラーゲンなどを使用する自由診療(自費)での対応となります。患者さんの状態に合わせて、最適な素材を選択し、より広範囲な再生を目指します。
| 歯周組織再生治療 | 1歯10万円 |
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リグロス治療のメリット(長所)
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健康保険が適用されます 最新の再生医療ですが、保険診療で行えるため、費用を抑えて治療が受けられます。
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歯を支える組織を「根本から」再生します 歯周病で溶けてしまった骨だけでなく、歯を固定するために必要な「セメント質」や「歯根膜(しこんまく)」といった組織自体の再生を促し、抜歯のリスクを減らします。
ご理解いただきたい注意点
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外科的な手術が必要です 手術に不安や恐怖心がある方には、半分眠ったような状態でリラックスして治療を受けられる「静脈内鎮静法」もご相談いただけます。
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100%の再生を保証するものではありません お口の状態や体質により、期待通りの効果が得られない場合があります。
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術後に少し「歯ぐきが下がる」ことがあります 治療後、1〜2mmほど歯ぐきが下がることがあり、それに伴い一時的に知覚過敏(歯がしみる症状)が出ることがあります。
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口腔がんの既往がある方は受けられません お口の中にがんがある、またはその疑いがある場合は、リグロスの成分が影響を与える可能性があるため実施できません。
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硬い膨らみが残ることがあります 術後、手術部位の近くに骨のような硬い膨らみができることがありますが、通常は経過観察となります。
フィブラストスプレーが同じ成分の先行医薬品です。床ずれの薬です。有効性、安全性が保証されています。
当院の症例の紹介
当院のリグロスを使用した手術の術後経過をご紹介します。
症例1左上中切歯と側切歯を手術しています。中年女性の方です。
手術直後
9ヶ月後
症例2 右下第一第臼歯を手術しています。中年女性の方です。
