自費診療に関しては、お一人様3回まで30分の無料カウンセリングをご用意しております。必要あれば、ぜひご利用ください。

下顎のインプラント総入れ歯

入れ歯ではうまくいかない下顎無歯顎の場合、インプラントを埋入した入れ歯を製作することをお勧めします。下顎は歯がなくなるとあごの骨がやせやすいので、入れ歯がうまくいかなくなることが多いです。下顎無歯顎は小臼歯部に2本のインプラントを埋入する方法があります。

本数が埋入するほど入れ歯が食べやすくなります。最大6本までです。インプラントを埋入したところは、あごの骨が痩せにくくなります。

ロケーターアタッチメント(ストローマン)

操作性良好です。アタッチメントの種類が非常に豊富で、口腔内状況やニーズに応じて維持力を変えられます。ただし、維持力や角度を変えるリプレイスメントメイルの交換は必要となります。

インプラントに装着するロケーターアバットメント(AHが高さ)と義歯床粘膜面に装着するロケーターキャップ(高さ2.5mm)の2つから構成されます。

ロケーターアバットメント

ロケーターアバットメントの種類は非常に豊富であり、歯肉の高さに応じて最適なアタッチメントの高さ(AH)を決定することができます。

ロケーターリプレイスメントメイル

角度や維持力を調整することができます。ロケーターーキャップの中に置かれます。

ロケーターアタッチメント(京セラFINESIA)

ロケーターアバットメント

ロケーターリプレイスメントメール

上顎のインプラント総入れ歯

口蓋(上あごの深いところ)を空けたデザイン(U字型)の総入れ歯にキャップをつけ、インプラントを2本埋入する方法があります。口蓋を覆うと味がおかしくなる方や嘔吐反射を生じる(えづく)方がいます。

本数が埋入するほど入れ歯が食べやすくなります。最大6本までです。インプラントを埋入したところは、あごの骨が痩せにくくなります。

インプラント部分入れ歯

遊離端欠損症例(一番の奥の歯から臼歯が連続して何本か無い)では、片側性咬合平衡が得られない(咬むと入れ歯が転覆してしまう)場合や咬むと沈み込んで調子が悪い場合に、その位置にインプラントを埋入し、インプラント入れ歯とすることができます。


ブリッジでは天然歯とインプラントを連結することができませんが、インプラント入れ歯の場合、天然歯とインプラントの上に製作することができます。

メリット

・義歯が長持ちする。
・義歯の動きが小さいので食事しやすい。
・食生活や日常生活が向上する。
・介護者が管理しやすい。
・通常のインプラントより安い。
・唇のふくらみの形づくりがしやすい。
・希望に応じて、インプラントの埋入する数を増やすことができる。
・取り外しできるので、清掃しやすい。
・低侵襲・低リスク。
・インプラントを埋入した場所のあごの骨がやせない。
・固定性とほぼ同じ程度の満足感が得られる。
・インプラントを失っても、残ったインプラントが機能する。

デメリット

・入れ歯が壊れやすい(入れ歯に金属の枠を入れて強度を上げます)。
・インプラントの周りが痛くなることがある、または、インプラントが脱落することがある(メインテナンスやインプラント周囲の入れ歯の調節が重要です)。

価格

インプラント義歯の場合、ロケーターアタッチメントをつけた一本目のインプラント植立は合計ストローマン29万円(京セラ27万5千円)(税抜き)となります。二本目からはストローマン27万円(京セラ25万5千円)(税抜き)ずつ加算されます。

義歯は自費の入れ歯になります。インプラント部が破折しやすいため、メタルフレームによる補強構造が必要となるからです。価格は10万円(税抜き)となります。2本のインプラントを用いた下の入れ歯は合計66万円(税抜き)です。他の設計のインプラント入れ歯も同様となります。

デジタル診断料は2万円(税抜き)です。CTと印象から行うパソコンによるシュミレーションを行った場合発生します。キャンセルや紹介となる場合も発生します。インプラント埋入する場合は金額に含まれます。

当院ではインプラント体五年保証致します。株式会社ガイドデントの保証サービス(インプラント1本あたり2万円(税込+手数料込))を利用していただければ、10年間保証致します(インプラント体20万円)。

インプラントを除去しなければならない場合が生じれば、保険適応のインプラント除去術があります。
インプラント除去の基準は、インプラントの位置不良・インプラント周囲炎・インプラントの動揺や破折が挙げられます。

保証期間外で再埋入したい場合には、再度料金が発生します。脱落したインプラントを持って来ていただければ、埋入手術は半額と致します。

インプラントは、医療費控除の対象になりますので、確定申告の際にご留意ください。

長期経過について

インプラントマグネット入れ歯を製作する上で重要なことを説明します。毎日のお口と入れ歯の清掃が必要となります。定期的な入れ歯の調整が必要です。定期的なパーツの交換が必要で、そのときには費用もかかります。

インプラントも経年的には、他の歯と同じく歯周病になり、歯が抜けてしまう場合があります。また、重度のインプラント周囲炎になった場合、希望があれば、骨移植術と同料金で、リグロスを用いた再生療法を行うこともできます。インプラントを支える骨が半分以上失った場合、時間と料金がかかりますが、撤去して、骨造成をやり直して、インプラント再埋入することの方が成功率が高いです。

インプラント周囲炎にならないようにするためには、日々の口腔衛生状態の維持が大事になります。メインテナンス、ブラッシング指導も行います。

インプラント入れ歯の海外の報告

海外の文献の報告を示します。参考にされてください。

調査項目 下顎の部分入れ歯とインプラント部分入れ歯の比較
主観的評価項目 患者満足度 インプラント部分入れ歯の方が有意に(統計学的に)改善した。
口腔関連QOL 痛み、心理的困りごとにおいてインプラント部分入れ歯の方が、有意に改善した。
健康関連QOL 有意差なし(統計学的に差が無い)。
客観的評価項目 咀嚼能力 粉砕能力、食品均一化においてインプラント部分入れ歯の方が有意に改善した。
栄養摂取能力 熱量、炭水化物、タンパク質、繊維質ならびに鉄分の摂取量は、インプラント部分入れ歯の方が有意に改善した。
咀嚼筋容積 最大筋収縮時における咬筋の厚みは、インプラント部分入れ歯の方が有意に大きかった。
最大咬合力 インプラント部分入れ歯の方が有意に改善した。
咬合接触面積 インプラント部分入れ歯の方が有意に改善した。
咀嚼運動 開閉口運動および咀嚼サイクルに関して、インプラント部分入れ歯の方が有意に早かった。
調査項目 下顎の部分入れ歯とインプラント部分入れ歯の比較
主観的評価項目 患者満足度 インプラント部分入れ歯の方が有意に(統計学的に)改善した。
口腔関連QOL 痛み、心理的困りごとにおいてインプラント部分入れ歯の方が、有意に改善した。
健康関連QOL 有意差なし(統計学的に差が無い)。
客観的評価項目 咀嚼能力 粉砕能力、食品均一化においてインプラント部分入れ歯の方が有意に改善した。
栄養摂取能力 熱量、炭水化物、タンパク質、繊維質ならびに鉄分の摂取量は、インプラント部分入れ歯の方が有意に改善した。
咀嚼筋容積 最大筋収縮時における咬筋の厚みは、インプラント部分入れ歯の方が有意に大きかった。
最大咬合力 インプラント部分入れ歯の方が有意に改善した。
咬合接触面積 インプラント部分入れ歯の方が有意に改善した。
咀嚼運動 開閉口運動および咀嚼サイクルに関して、インプラント部分入れ歯の方が有意に早かった。

インプラントの禁忌症

絶対的禁忌症:免疫不全(肝機能障害、腎機能障害、ステロイド服用など)、1型糖尿病、血液疾患(白血病、血友病など)、心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中を起こしてから6ヶ月以内、チタンアレルギー、頭頸部扁平上皮癌の既往、顎骨に放射線治療の既往(40Gyが境界領域)、ビスフォスフォネート系薬剤の服用歴、18歳未満、妊婦、統合失調症、鬱病、関節リウマチ、骨軟化症、骨形成不全症、薬物乱用(アルコールまたはその他の薬物)、血液透析

相対的禁忌症:2型糖尿病(血糖値のコントロール)、骨粗鬆症(骨移植・人工骨などで骨増生)、高血圧症(薬によるコントロール、静脈内鎮静法)、重度の歯周病(最初に歯周病の治療を行う)、喫煙者(術前4週間、術後8週間禁煙)、歯ぎしり・食いしばり(マウスピースによる治療)、埋入部位に局所的感染・残根がある(感染源の除去)※()は対策

インプラントを入れた場合の長期経過

年齢を重ねて、インプラントが脱落してインプラントの本数が減少しても、インプラント入れ歯は修理して使用を続けることができます。インプラントは1本であったとしても、役に立ちます。

話は変わりますが。。。年齢を重ねて、上部構造(冠やブリッジ)のあるインプラント(通常のインプラント)の周りの残存天然歯を失ったとき、インプラントにクラスプ(バネ)をかけた部分入れ歯を保険診療で製作することもできます。インプラントの上部構造(冠やブリッジ)を外して、ロケーターアタッチメントを装着し、インプラント義歯にすることもできます。