むせやすいものに注意しましょう。

①液状のもの
水・お茶・味噌汁
②酸っぱいもの
酢の物
③ぱらぱらとまとまりにくいもの
きざみ食、ふりかけ、佃煮、長ネギ
④厚みのないもの
焼き海苔、わかめ、レタス・きゅうり
⑤パサパサしたもの
パン、ふかし芋、ゆで卵、焼き魚、凍み豆腐
⑥繊維の強いもの
青菜類、ごぼう、筍、蓮根、パイナップル

食べやすい食材や調理方法を選択しましょう。

食べやすく、飲み込みやすい物の特徴は、まとまりがあり、適度な粘りがあり、のどで形が崩れ、バラバラになりにくく(凝集性があり)、味や香りがはっきりしていて、冷たいか温かいなど体温に近くない温度のものです。
粒があるものや液体と固形物が混ざっている状態は食べにくく、飲み込みにくいです。

以下に食べやすくなる調理方法を示します。
①加熱してやわらかくする
煮物、煮込み料理、お粥、雑炊
②適度に水分を与える
フレンチトースト
③つなぎをつける
肉団子・ハンバーグ、和え物(白和、胡麻和え、ヨーグルト和え)
④繊維を立つ、切り方を工夫する。
蛇腹切り、隠し包丁、厚めに皮を剥く、ミキサー食、ピューレ
⑤油脂を加える
ポテトサラダ
⑥とろみをつける
ポタージュ、カレー、シチュー、あんかけ
⑦ゼリー、ムース、プリン
⑧ゼリー食
ミキサーにかけたものをゼリーで固めます。表面にソースをかけても良いです。煮魚の煮こごり。

液体にとろみをつける

水分やお茶などの液体は、口腔内でまとまりにくく、保持しにくいため、むせやすいです。その液体にとろみをつけ、凝集性を増し、飲み込みやすい物性に変化させるものを増粘食品といいます。とろみをつけすぎると、粘性が増して、口の中やのどに付着し嚥下しにくくなります。したがって、適正なとろみに調整する必要があります。増粘剤は添加後物性が安定化するまで5〜15分ほど待ちます。ダマができてしまった場合は取り除きます。とろみを追加するときは濃い溶液を作って加えます。

増粘食品の商品とその特徴をご紹介します。
トロミスマイル(ヘルシーフード):カラギーナン※1。無味無臭。飲み物や食べ物の風味を損なわない。自然なとろみ。※1:たんぱく質と分子的に相互作用し、増粘作用が増強される。
トロミパワースマイル(ヘルシーフード):加熱処理デンプン※2。速やかに溶けてとろみがつきやすい。温・冷どちらも使用可能。※2:すばやく粘りが付くが、添加量が多く必要。
トロミクリア(ヘルシーフード):デキストリン※3。透明な液体状のまま使える。液体の見た目を変えない。※3:デンプンを低分子化したもの。
とろみアップパーフェクト(日清オイリオ):難消化性デキストリン、キサンタンガム※4、白キクラゲ多糖体。温・冷どちらも使用可能。無味、無臭で、色を変えない。※4:ベタつき感が少ない。経時的な変化がない。透明な水分などにとろみをつけるのに適している。
つるりんこQuickly(グリニコ):加熱処理デンプン。早く溶け、安定したとろみ。無味無臭。温・冷どちらも使用可能。
トロミアップエース(日清オイリオ):難消化性デキストリン。透明で無味無臭、とろみの持続性が高い。温・冷どちらも使用可能。
ソフティアS(ニュートリー):粉ゼラチン。滑らかなとろみを持ち、温かい料理や飲み物に適している。味や色を変えない。
明治かんたんトロメイク(明治):デキストリン。スティックタイプ。速やかに溶ける。温・冷どちらも使用可能。
新スルーキングi(キッセイ薬品工業):デキストリン。見た目が変わらないクリアタイプ。温・冷どちらも使用可能。
ネオハイロトミールR&E(フードケア):難消化性デキストリン。自然なとろみ。温・冷どちらも使用可能。
ネオハイトロミールⅢ(フードケア):改良型デンプン。早く溶け、安定してとろみを保つ。無味無臭。
トロメリンV(ニュートリー):難消化性デキストリン。温・冷どちらも使用可能。長時間のとろみ保持。

きざみ食、ミキサー食にとろみをつける

きざみ食は、口腔内で食塊形成が起こりにくい食材です。増粘食品は、これらきざみ食に添加することにより、飲み込みやすい物性に変化させることができます。肉や魚などの水分量が少ない食材の場合は、パサツキを防ぐために食材とは別にだし、スープに増粘食品を入れとろみを作り、きざみ食と撹拌して、あん風に仕上げます。ミキサー食は食材と一緒に増粘食品を入れ、ミキサーで撹拌します。