審美性を考えると、白い歯を揃えたくなります。鏡で笑って、メタルが見えてしまい気になるところから、試みると良いと思います。白い歯は金属アレルギー対策にもなります。

保険診療で使われているメタルに使われるパラジウムは、金属アレルギーを引き起こしやすく、アレルギーの感作率は37.9%と最も高いです。口腔粘膜は肌よりもタンパク質(ケラチン)が少ないので、唾液に溶けてイオン化した金属が血液に入り込み、全身に影響を及ぼしやすいです。スウェーデンでは妊婦と小児には完全に使用禁止ですし、ドイツでは、歯科医療でのパラジウムの使用を禁止する勧告が出されています。口腔がんや舌がんがパラジウム合金と接触する部位に発症していることが多く観察されるため発がん性の疑いがあること、また、免疫力の破壊から免疫不全を引き起こし、様々な病気を発症するリスクが高いことが使用禁止の理由とされています。

保険の白い歯

CADCAM

 

保険で白い歯を作ることができます。それは、CADCAM(キャドキャム)(クラウン)とCADCAMインレー(部分的な詰め物)です。

CADCAMは、Cumputer aided design Computer aided manufactureの略です。3Dカメラで治療箇所をスキャンしその情報を元にコンピューターが設計、その設計データを基に3次元切削加工機がブロックを削り冠やインレーを製作します。3Dプリンターは日用品や工業製品などで広まっていますが、材料を積み上げるもので、削り出すCADCAMとは違いがありますが、機械で形が作られるという意味では同じようなものと考えることもできます。セラミック(陶磁器) とレジン(合成樹脂)を合わせた材料(ハイブリッド)で、セラミックの方が重量比が大きいので合成樹脂含有セラミックというべきです。保険で白い歯にできることは魅力的です。2年間の保証期間がありますが、その後万一破損した場合でも保険で製作すれば良いと考えられます。ハイブリッドはレジンを含むため、セラミックより強度は劣り、破折を繰り返す場合はメタルやジルコニアなど強度のあるものに変更しないといけないこともあります。

 

 

 

色のついている歯はCADCAM冠・インレーが保険適用です。中切歯・側切歯・犬歯(図の赤い歯)、第一小臼歯・第二小臼歯(図の緑の歯)・第一大臼歯(図の青い歯)に作ることができます。第一大臼歯(図の青い歯)は第二大臼歯(図の赤丸)が上下4本揃ってないと保険適応になりません。

CADCAM冠の色調はAシェード(赤色)のみとなりますのでご了承下さい。

PEEK

PEEK冠が保険適用になりました。保険適用になったCADCAM冠としてのPEEK冠はポリエーテルエーテルケトンを主成分とし、無機質フィラー(セラミックの一種)を配合したレジン(合成樹脂)ブロックをコンピューターを用いて、削り出したものです。PEEKはポリエーテルエーテルケトン(Polyether Ether Ketone)の略称で、高性能の工学用プラスチックです。この素材は耐熱性や化学的安定性が高く、機械的な強度も優れています。また、生体適合性があり、軽量かつ耐久性があります。力が加わった際にたわみやすく破折しにくいという特徴があり、第二大臼歯や第三大臼歯にも適用できます。力の加わる第一大臼歯にも適用可能です。アイボリー色であるため他のCADCAM冠と色調が異なります。

自費の白い歯

脱パラジウムの観点から、白い歯の自費診療の価格をかなりお安くしております。(価格は税抜きとなります。)2年間の保証期間をつけさせていただきます。冠とブリッジは仮歯の料金も含みます。色調はCADCAM冠、ダイレクトブリッジではAシェード(赤色)のみですが、セラミックやジルコニア、ハイブリッドはAシェードの他、Bシェード (黄色)、Cシェード(灰色)、Dシェード(茶色)から選べます

セラミック冠(e-max) 前歯 美しい 汚れにくい 色調を選べる

5万円

※A(赤色)シェード以外は6千円追加

セラミックインレー(e-max) かみ合わないところ 美しい 汚れにくい 色調を選べる 3万円

※A(赤色)シェード以外は6千円追加

ジルコニア冠 ブリッジも可能 汚れにくい 色調を選べる

4万円 連結料1箇所3千円

※A(赤色)シェード以外は6千円追加

※Aシェードのみの廉価版 3万円

ジルコニアインレー かみ合うところも可能 汚れにくい 色調を選べる

3万円

※A(赤色)シェード以外は6千円追加

ハイブリッドインレー 色調を選べる

1万2千円
2年以上経過したハイブリッドインレーの修理 5千円
ダイレクトブリッジ 歯を削らない 脱落のリスクあり

3万3千円
ダイレクトブリッジ(ファイバーリボン入り) 脱落のリスクを減らす 5万3千円

セラミック

強度はジルコニアに劣りますが、透明感や白さなどの審美性に優れ前歯に適します。e-maxというセラミックは天然歯と同程度の強度を持っています。かみ合わせのない部分のインレーを製作することもできます。欠点としては、陶磁器と同じように一部欠けることがあります。その際には再製作するか、ジルコニアなど強度の高いものへ変更することをおすすめします。CADCAMの技術でワックスパターンを作成し、そのワックスパターンを埋没、鋳造して製作しています。色調の種類が多く審美性を求めることができます。また、セラミック(陶磁器)はトイレ洗面台などにも使われ、汚れが付きにくい特徴があります。

ジルコニア

強度が高い(※)です。そのため、ブリッジも製作可能ですし、かみ合わせのある部分でのインレー も製作できます。メタルとは違い、破折することがあります。透明感や白さなどの審美性がやや劣ります。インレー では天然歯と色の違いがやや目立つこともあります。最近のジルコニアは審美性も向上してきており、前歯にも適応可能です。色調の種類も多いです。CADCAMの技術でブロックを削り出して製作しております。ジルコニアはセラミックの仲間なので、汚れが付きにくいです。
※歯科で用いられるイットリア安定化ジルコニアは、応力誘起相変態強化機構(破壊の原因となる亀裂の伝播を正方晶から単斜晶への相変態によって阻害し、亀裂先端への応力の集中を緩和する性質)と硬度の高さと化学不活性が特徴です。

ブリッジはさまざまな力(応力:咬合力による圧縮、引張り、せん断)が加わります。ジルコニアはそれらに耐える力を持っています。また、ジルコニアは硬度も高いです。他の歯科に用いられる材料との比較をお示しします。

応力ひずみ曲線

応力ひずみ曲線は金属とセラミックス(ジルコニアも含む)とは大きく異なります。

延性:金属が持つ永久変形しながらも破壊されづらい性質を持つこと。→破折しづらい。欠けない。

脆性セラミックス(ジルコニアも含む)が持つ永久変形を経ずにすぐ破壊される性質のこと。→破折しやすい。欠けやすい。

ヌープ硬度とは、細長いひし形をした四角錐のダイヤモンド剛体(圧子)を使った測定法で、検査石に荷重を加えて、そのときにできるひし形のくぼみ(圧痕)の深さで硬度を測定します。薄い・脆い材料でも測定が可能な測定法です。

ハイブリッドインレー

ペースト状のハイブリッド(合成樹脂含有セラミック)を手盛りして製作したもので、適度な強度で天然歯を傷つけにくいです。一部欠けた場合、口腔内で修理できることもメリットです。CADCAMよりもより色調の種類が多く、審美性を求める場合に用いることができます。

ダイレクトブリッジ

歯を削らずにできる白いブリッジです。セラミックとプラスチックをかけ合わせた材料で作った歯を、健康な歯を削らずに接着します。裏側にファイバーリボンによる補強を入れることもできます。健康な歯の他にも保険で行われている白い修復材料のCADCAM冠やインレー、CR充填にも接着できます。1歯の中間欠損の場合のみとします。隣の歯が揺れていない、高さ(接着面積)が十分あるなどが条件となります。壊れても修理はしやすいです。強度に問題があり、かみ合わせの力に耐えられず破損を繰り返す場合は、通常のブリッジをおすすめします。

保険適用外のCADCAM冠・インレーも保険診療の10割負担で製作することができます。6番目(第一大臼歯)、7番目(第二大臼歯)、8番目(親知らず)に作ることができます。

CADCAM冠 2万6千円
CADCAMインレー 1万7千円

土台 コア 支台築造

根の治療(根管治療)から白い歯を作る場合は土台(コア、支台築造)から自費となります。

ファイバーポスト+合成樹脂コア
金属アレルギー対策 歯が折れにくい
9千円
メタルコア(銀合金) 5千円

主な歯科材料の性質

主な歯科材料の性質をご紹介します。ご理解の参考になればと思います。