平成30年度の診療報酬改定において、新しい病名 『口腔機能発達不全症』が採用されました。

対象患者は15歳未満の口腔機能の発達不全を認める患者です。

ステージ分類は下記のようになります。

ステージ1 乳児期 出生~生後12ヶ月

ステージ2 幼児期初期 1218ヶ月

ステージ3 幼児期中期 1歳半~3

ステージ4 幼児期後期 3歳~6

ステージ5 学童期 6歳~12

ステージ2からが治療の対象となります。ステージ1は経過観察となります。

17項目のうち咀嚼機能の分類を含む3項目以上で算定となります。

口腔機能の評価及び管理計画を策定・説明し、指導・管理についての記録を文書で作成をしてまいります。写真撮影が必要となります。口腔機能発達が改善されると、口腔周囲筋の発達が促され明らかな顔貌の変化が確認でき、動機付けにもつながります。

実際わかりにくいので、対象となるケースを簡単に説明いたします。

①指しゃぶり:哺乳に関わる行動で、反射的な不随意運動です。生後2ヶ月くらいから始まります。生後6ヶ月までは積極的に指しゃぶりをさせましょう。4歳くらいまでにやめられれば、開咬(前歯が噛み合わない)、上顎前突(出っ歯)、臼歯の交叉咬合(上下の歯の重なり方が逆)などの影響が出ることを防げます。

②口呼吸:口をポカンと開けている癖がある子は、口唇を閉じる力が弱く、無意識になると口呼吸しています。継続すると、口を開けているときの低位舌、嚥下時の舌突出癖が生じやすいです。また、唾液の働きも低下するため、虫歯・歯肉炎の発生や口臭・上顎前歯の着色が起こりやすくなります。外気が直接のどから肺に入ってくるため、細菌やウイルスが侵入しやすくなります。アデノイドや口蓋扁桃肥大などの鼻咽腔の形態的な問題による通気障害やアレルギー性鼻炎や風邪による一時的な鼻閉でも、口呼吸をせざるを得なくなります。アデノイドの肥大の症状は鼻づまり、鼻声、いびき、睡眠時無呼吸症候群です。アデノイド顔貌という特徴的な顔つきがあります。成長ホルモンの分泌が悪くなった場合、低身長などの発育障害や集中力の低下、記憶力の低下(学習障害)などを生じてしまうことがあります。舌圧と口唇圧のアンバランスにより、開咬や上顎前突を助長します。鼻で呼吸することを意識させましょう。

③上顎歯列の狭窄

④開咬:前歯でかみ合わせがないこと。

⑤舌突出癖:嚥下時や発音時に舌を前方に突き出す癖(舌突出癖)があると、食事時や1日に数千回と言われる唾液を飲み込む動作のたびに、上の前歯を前方に押します。すると、口呼吸や開咬が生じます。睡眠時無呼吸症候群が生じることもあります。そのほかにも、食べ物をこぼす、くちゃくちゃと音を出す、食べるのが遅いなどの傾向が出てくる。唇を閉じると筋肉が緊張しオトガイ(下あごの先)に皺ができ、唇を閉じるとへの字になる。離乳食完了期(12―18ヶ月)には、確実な成人嚥下への切り替えが大事となります。

⑥舌小帯短縮症:ハート舌は舌小帯短縮症と言います。舌をベーっと前に出した時に、舌の形がハート型になります。口呼吸の大きな原因となります。また、低位舌になります。哺乳障害を起こすほどのハート舌の場合は、舌小帯の切除が必要となります。

などが主な対象となります。

当院では、第三回お口のはてな会をこの内容で行うことを検討しています。お楽しみにして下さい。

また、小児の反対咬合(受け口)に対するマウスピース治療(ムーシールド)を行なっております。受け口のお子さまには挑戦されることをお勧めいたします。